TMO「株式会社まち工房たなぐら」
株式会社 まち工房たなぐら
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まちこ瓦版
Vol.11〜17
Vol.01〜Vol.10
Pick Up
欅は馬場都々古別神社のシンボルだった
 町に、もう一つのお城があったことは誰でも知っている。町全体を見渡すことができる赤舘である。今でこそ国道で分断されているが、赤舘は宇賀神社側の丘陵とつながっていた。その東側の上台には、学校が終わるとよく遊びに行った。そして栗拾いなどで山に入ると、土塁が延々と築かれていたことを覚えている。かなり大きな山城だったことが分かる。
 赤舘は、陸奥国の南端「南郷」にある戦国時代の山城の一つだった。そこは常陸の佐竹氏と白川結城氏や石川氏など陸奥南部に跋扈(ばっこ)した中小大名の争いの接点で、赤舘は佐竹氏の出城として重要な位置を占めていた。当時の赤舘からは、陸奥一宮である馬場都々古別神社と八槻都々古別神社の両方の森が一直線上に見えた。そして手前の馬場都々古別の境内には、ひときわ高く欅(けやき)が聳(そび)えていた。いまの城跡の場所である。赤舘の真下に広がる高台は、陸奥に生きる人々の聖地だった。欅は馬場都々古別神社のシンボルだったのである。

注)跋扈(ばっこ) 思うがままに勢力を振るっていること。
タイトル写真/赤舘山頂から眼下に広がる町を見渡す。

歴史読み物「棚倉、城とまち」 目次
第1回 「町の移り変わりを見守る欅(けやき)の巨木」
第2回  「野球少年を育んだ城跡」
第3回  「欅は馬場都々古別神社のシンボルだった」
第4回  「赤館の麓に伊野村生まれる」
第5回  「勇将、立花宗茂の入村」  
第6回  「聖地の上に築城する戦国武将」
筆者プロフィール
青木 美智男

昭和11年、福島県東白川郡棚倉町南町生まれ、現在東京都北区在住、専修大学文学部教授。著作[単著]『近世非領国地域の民衆運動と郡中議定』(ゆまに書房 2004年)[編著]『番付で読む江戸時代』(柏書房 2003年)[史料集]『東海道神奈川宿本陣石井順孝日記』1〜3(ゆまに書房 2001〜3年)他多数。
1954年(昭和29)
1962年(昭和37)
1965年(昭和40)


1974年(昭和49)



1997年(平成9)
福島県立東白川農業商業高等学校商業科卒業
明治大学文学部史学地理学科卒業
東北大学大学院文学研究科修士課程を修了
神奈川県史調査執筆委員、新潟県史編集委員、
神奈川大学経済学部・中央大学法学部で非常勤講師
日本福祉大学社会福祉学部(助教授)に奉職のち経済学部に移り教授
この間、教務部長・付属図書館長・就職部長・経済学部長を歴任。
愛知県立大学・名古屋大学・愛知大学・新潟大学・愛知教育大学で非常勤講師
愛知県史専門委員(近世部会長)として現在へ至る
専修大学文学部(教授)へ移り現在に至る。
早稲田大学大学院文学研究科および法政大学大学院文学研究非常勤講師を兼任
現在 専大大学院社会知性開発研究センター歴史学拠点所長


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